『コブシを回す低音と、伸びやかな高音、そしてファルセット。』
コブシを回す低音と、伸びやかな高音、そしてファルセット。ラルク・アン・シエルが現在の作風を確立したと言われる大ヒット・シングル。それまでは、もっとラフでストレートな曲が多かった気がするが、このシングル(及び収録アルバム)あたりから、歌い方が明らかに変化した。すなわち、ニヒルに押し殺した低音と、伸びやかな高音を対比する、ディープな「ラルク節」である。
ヴォーカルのhyde(ハイド)が欧州の雰囲気を漂わせる美形なのはご存じの通りだが、それを活かして、フェミニンで中性的な魅力を強調するフレーズを効果的に使っている。また、歌詞もより抽象的・象徴的になり、深みが増している。
♪んん?少しまだ 震?えてる 傷口に そっと 触れて?みた
なんて、幾ら歌が上手くても、美形じゃなきゃ様にならないよね(苦笑)。ラルクでは初めて、完璧に気に入った曲だったので、それでもカラオケで何度と無く歌わせてもらったが、今考えると、相当恥ずかしいものがある(笑)。
声の耐久性はあまりないようで、ライヴでは高音が出ず不調の時も多いが、音感は良いし美形、雰囲気にぴったりの詞も書ける、ちょっとなかなか居ないヴォーカルである。ちなみにフレーズ的には、いきなりコーラスから入る、導入部が一番好きだ。
♪君が見え?なくて 見え?なくて 何度も呼びか け るよ ♪この?夜に ま?よって しま?ぅ(裏)?
いやぁ、カッコイイわ。一度でいいから、こんな外見で街を歩いてみたいわ。さぞかし薔薇色の人生が味わえることだろう。尚、このパッケージは、発売当初スタンダードだった 8cm CD シングルが絶滅したことにより、元々12cmだった「浸食」も含めて、初期のシングルを丸ごと再発売したもの。音源に差はないようで、追加収録などのボーナスは一切なし。