『深い森に渦巻く女の嫉妬』
時は南北戦争のさなか、南部の深い森の中にある女子学院では、院長のマーサをはじめ、女性教師、女中、そして女学生達が戦火を避けてひっそりと暮らしていた。ある日、少女エミーは森の中で血みどろで倒れている北軍の兵士を発見する。女たちは学院にその男をかつぎ込み、手当てを施す。女たちの園にひとりの男が登場したことで、女たちの欲望、嫉妬が渦巻き始める。・・・
兵士役を演じるのは若き日のクリント・イーストウッド。これがカッコ良くてセクシーで、おまけに母性本能をくすぐる感じも持ち合わせています。初めに会ったエミーをはじめ、体をもてあます早熟な女生徒キャロル、初心な女教師エドウィーナ、そして男性に飢えている院長まで虜にする設定も、彼の魅力なら説得力十分です。
この映画で描いている女性の心理描写が実にスゴイ!誰彼にでも愛想を振りまいて取り入るイーストウッドを見て嫉妬を募らせていく様子が丁寧に描かれています。緊迫した戦時中、女たちばかりで抑圧された日々を送っていると、余計に欲望や嫉妬など、ドロドロした感情も凄まじいのかも、と納得してしまいます。フラッシュバックなどで院長の過去を示唆する演出もなかなか利いています。
観終わった後、「もう一度観たい!」とは決して思わないけれど、思わぬ展開にハラハラドキドキ、そして渦巻く登場人物のそれぞれの思惑にヒヤヒヤゾクゾク、実に見応えのある作品でした。男性の方は、鑑賞後はしばらく女性不信になるかもしれないけれど、あなどれぬ面白さです。