『ルーマニアおじさん:二つの文化圏の中の十字軍』
この英語の原書をはじめて読んだ時は、わくわくしながら辞書を片手に
読みふけった事を覚えています。その時はたいして十字軍についても知り
ませんでしたが、まさかこの本が日本語として読めるとは。
この本はイスラム圏とヨーロッパ圏という二つの陣営の軍隊を公平に
解説しています。その説明は具体的で、カラーイラスト等の図表によって
さらに理解が深められるように作られています。この辺りの、どの年代の
人が興味を持ったとしても等しく理解できるという教科書的な要素を持っ
た意味で、面白い本です。
私は何より指摘しておきたいのは、二つの陣営とは別にビザンツ帝国や
アルメニア王国といったあまり英語ですら読むことができない十字軍に関
わった国についても記述をしている点も評価できる所です。
もし、十字軍に興味をもたれたら、ランシマンをはじめとして多くの良
書がありますが、それにもまして本書を一読、あるいは一見する事をお勧
めいたします。