『エスキモーとの生活』
1974年の単行本の文庫化。
犬ぞりで南極大陸を横断するためには、まず犬ぞりを操る技術を身につける必要がある。そのため植村はグリーンランドのエスキモーの村に住み込むことにした。その記録が本書。
とんでもないことを考える人だと思う。普通の人なら、せいぜい、冬場の北海道に行って鍛えるくらいだろう。ところが、植村は知人もいないエスキモーの集落をいきなり訪れて、一年間も厄介になってしまうのである。また、すんなり受け入れられてしまうところもすごい。植村の人間性だろう。
本書の読みどころはエスキモーの生活。まったくの異文化なのだ。食べものも服も酒も性も。ヨーロッパ、アジア、アフリカのどことも隔絶した文化を持っている。植村はよくこんなものに適応できたなと思う。