『sayonaraarigato』
彼女の曲は他人との関係を歌ったものが多いけれど、
彼女の世界は徹底的にひとりだ。
どんなに近しい者であっても、自分以外の他者には言わない気持ち。
何年も会っていない人をふと思い出すような。
ひとつの食卓に並び、同じ風呂に入り、それぞれの布団で寝るような。
恋人と顔をくっつければ考えていることがばれてしまうんじゃないかとひやひやするような。
たださらけ出すよりも誠実で深く重たい感情。
個人の抱えている感情は、自分以外にはどうしても伝えきれない。
それがたまにはやりきれなくなるけど、
しかしだからこそ、一人で抱えて向き合っていかなくちゃいけない。
他人と全部を共有しなくたっていいんだよ、
そう言ってくれるみたいで、心強い。
‥‥なんて好き勝手に言ったけど、
こんな風に彼女の天邪鬼な表現を解読するのも楽しい。
断片的な歌詞にふっと自分なりの解釈が乗る瞬間、
つまり一青窈と何かを共有できた気分になる時!
このためにアルバム一枚聞いちゃうんだなあ。
やっぱりおれ、誰かと思いを共有したいんだなあ。