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宇多田ヒカル
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EXODUS

『本人の期待に添えられるように深読みしてみました』
 タイトルの「EXODUS」は日本からアメリカへ‘出国’という意味も勿論あるだろうが「オープニング」に続く「デヴィル・インサイド」を聴けば、Utadaは自身に纏いつく‘天使’というイメージから‘悪魔’へ‘脱出’したかったということが分かる。ここで言う‘悪魔’とは性に奔放なことだ。問題なのはそれを日本語で歌うことは不可能だということだ。何故か‘昼メロ’になってしまい、かっこよくなくなるのだ。だから決してアメリカ人に媚を売るためにセクシーな歌にしたわけではないし、彼女は自分で訳すこともしなかったのだ。しかしセクシーな部分は「ホテル・ロビー」までで、「クレムリン・ダスク」からは‘悪魔’として振舞った後の、苦悩や混乱が描かれる。だから、おそらくマドンナを意識したポップな前半に比べて、後半は楽曲のトーンも下がるのだ。
 要するに、このアルバムは日本人の女の子の‘悪魔’としての振る舞いと、その後の苦悩を描いたコンセプトアルバムなのだ。そしてそのコンセプトは実はアメリカ人にではなく、自分を‘天使’と認識している日本人に向けられている。だからアメリカで売れなくて日本で売れたことはUtadaにしてみれば計算通りなのだろう。アメリカではワーストアルバムに選ばれたようだが、20歳くらいの女の子の奔放な性が描かれているのだから当然であるだろうし、選ばれたことで(これも当然だが)日本よりも正確に理解されていることが証明されたのだ。
 何故、「アニマート」だけが本人による訳なのか。この歌はこのアルバムに対する本人の決意表明だからだ。「こんな風にできる人はそういない」とはその通りだが、「誰かわかってくれる」ことはなかったようだ。しかし誰にも分かってもらえていないにも関わらず、ミリオンセラーになったのだからたいしたものだ。多くの‘猫’に大量の‘小判’をばら撒けたのだから、‘悪魔’Utadaは内心ほくそ笑んでいるだろう。
 このような天才と不安定な私生活。傑作が生まれる環境は整いつつある。せめて小判が小判だと判断できるくらいに感性を研ぎ澄まして待っていようではないか。

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