『江戸時代の粋な其角の俳句を読み解く知の冒険』
芭蕉の弟子で、その人とありと知られた其角の俳句を著者がさまざまな推理を働かせて、読み解く楽しい本でした。NHK BSの「週刊ブック」で作家の青木奈緒さんが紹介されていたのですが、それまで其角という人は名前ぐらいで、よく知りませんでした。でも、「鐘ひとつ売れぬ日はなし江戸の春」「夕すずみよくぞ男に生れけり」「我が雪と思へばかろし笠の上」といった句は、どこかで聞いていたような気がします。
今回、それらが其角の作だとはじめて知りました。わずか17字でありありと情景がうかんだり、その背景にさまざまな故事が含まれていたりと、あらためて俳句の奥深さを認識した本でした。でも、この本は、そんなかしこまった説明ではなく、作者が、さまざまな角度から推理して其角の句を読み解く楽しい知の冒険といった感じがしました。それにしても、昔の江戸って、粋だったんですねぇ。